sabakinoumeの日記

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『長いお別れ』

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『長いお別れ』

 

2019年日本映画。 上映時間:127分。

 

■監督

中野量太

■出演

蒼井優

竹内結子

山崎努 ほか

 

直木賞作家の中島京子氏の実体験に基づく小説を、『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が映画化。

認知症の影響で徐々に記憶を失っていく父と、彼と向き合う家族を描かれていきます。

主演は先日とてもおめでたい話題があった蒼井優さん。

 

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あらすじ

 

2007年、父・昇平(山崎努)の70歳の誕生日で久々に帰省した長女の麻里(竹内結子)と次女の芙美(蒼井優)は、厳格な父が認知症になったことを知る。2009年、芙美はワゴン車でランチ販売をしていたが、売り上げは伸びなかった。麻里は夏休みを利用し、息子の崇と一緒に実家へ戻ってくる。昇平の認知症は進行していて、「帰る」と言って家を出る頻度が高くなっていた。

シネマトゥデイより)

 

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『湯を沸かすほどの熱い愛』で多数の映画賞を受賞するなど高い評価を獲得した中野量太監督が、認知症を患う父親とその家族の姿を描いた中島京子氏の小説「長いお別れ」を映画化。

これまでオリジナル脚本作品を手がけてきた監督にとって初の原作ものになります。

出演は蒼井優さん、竹内結子さん、松原智恵子さん、大ベテラン俳優の山崎努さん。

 

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舞台などで、ご本人数回生で拝見しただけの私が言うのもおこがましいのですが、蒼井優さん、ご結婚おめでとうございます。

末永くお幸せに。

できれば女優さんは引退しないで続けてもらいたいですね。

 

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認知症を英語で「Long Goodbye」(長いお別れ)と言うそうです。

レイモンド・チャンドラーの小説は認知症とは関係ありませんが)

 

高齢化社会の日本である意味避けて通れない道が親の介護だと思います。

原作者の実体験を基に書かれた小説というのは鑑賞後知りましたが、正直映画で描かれる認知症の症状、その介護などは自分も体験者なので言わせていただきますが、こんな生易しいものではありませんでした。

 

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『湯を沸かす~』で感動作自分でしたが、本作は正直感動できませんでした。

 

認知症になってしまう父親は別として、ほかのキャラクターが自己中心的すぎて、心に温かみが無い人間のように観えてしまいました。

次女の芙美は「バツイチは気にしない」と言いながら元妻と子どもに会いに行く彼を尾行して「やっぱ勝てないな~」などと言って諦める。(おもいっきり気にしてる)

長女の麻里はアメリカでの暮らしに馴染めずストレスと夫や息子に当たり散らす。

その彼女の辛さにまったく向き合おうとしない夫。

母親も失業中の芙美に夫の親友の葬儀に「2万円もっていって」などという無神経さ。

 

とどめは父に帽子をかぶせたいがために昏睡状態で衰弱した父親の脚を引っ張る行動。(ぜ、絶対にありえない・・・)

 

原作にはない父親のスーパーマーケットでの万引きシーン。

これも正直いらなかったように思いました。

認知症=犯罪を結びつけるようなイメージを抱かせてしまう怖さがあります。

 

震災直後のエピソードで母親が「帽子とマスクは忘れずつけましょうね」と言うシーン。

私も当時東京に住んでましたが、そんなことしませんでした。

 

監督がなにを意図してこのような描写やキャラクター像にしたのか分かりませんが、これらは観ていて不快に感じられるものになってしまい残念に思いました。

 

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人と人とのコミュニケーションのかたちは時代とともに変化していくものですが、普遍的なものは家族愛だと思います。

自分も介護をしているときは何も考える余裕がなかったのですが、母が他界し今思い返すと「愛のある行動ができていただろうか?」と自問自答しております。

 

認知症と向き合うことだけでなく、家族になにかが起こったとき、どのようにすればいいのかがこの映画の描きたかったテーマだったように思います。

 

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山崎努さんは名演でした。

『天国と地獄』、『マルサの女』など悪役の上手い俳優さんですが、徐々に記憶を失っていくごく普通の父親役も見事熱演しておりました。

 

俳優陣の演技は光るものがありましたが、映画のガッカリ感も結構ありました。

長女の家がアメリカにあるように観えず(アメリカまでロケ行けなかったんだと思います。予算の都合で)、もの凄いチャチ感。

ラスト近くのハンカチのシーンは「いい加減にしてくれ」と言いたくなるほどしつこかったです。

ラストシーンもなぜか長女の息子の話し。

ラストを長女の息子の話しにするなら、もっと山崎努さんの父親との交流エピソードなどを入れるべきだったのではないでしょうか?

 

心に残るエピソードやセリフがたくさんありました。

それがパズルのピースのようになって映画全体にピッタリとはハマらなかったような作りになってしまったのが惜しい気がいたしました。

蒼井優さんのご結婚を祝して★ひとつオマケです。

 

★★★