sabakinoumeの日記

Yahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いいたします。

『アイリッシュマン』

f:id:sabakinoume:20191202032226j:plain

アイリッシュマン』

 THE IRISHMAN 

 

2019年アメリカ映画。 上映時間:209分。

 

■監督

マーティン・スコセッシ

■出演

ロバート・デ・ニーロ

アル・パチーノ

ジョー・ペシ ほか

 

タクシードライバー』、『レイジング・ブル』などのマーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロと『カジノ』以来22年ぶり9度目の再び組んだ犯罪ドラマです。

第二次世界大戦後のアメリカ裏社会の無法者たちの暗躍を、主人公であるヒットマンの視点で描かれます。

 

f:id:sabakinoume:20191202032845j:plain

あらすじ

 

フランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)は全米トラック運転組合(チームスター)の一員として長らく活動していたが、その傍らでブファリーノ・ファミリーと共に犯罪行為に手を染めていた。ファミリーの依頼で人殺しも行ってきたシーランだったが、彼が関与した事件の中にはジミー・ホッファ(アル・パチーノ)の暗殺も含まれていた。本作は最晩年のシーランの回想という形を取りながら、ホッファ暗殺の真実や労働運動とマフィアの結びつき、裏社会に生きた者の悲哀を描き出していく。 

Wikipediaより)

 

f:id:sabakinoume:20191202033839j:plain

これまで数々の名作を生んできたマーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロの名コンビが22年ぶりに復活。

第二次世界大戦後のアメリカ裏社会を生きた無法者たちの人生を、ひとりの殺し屋の目を通して描いた一作です。

脚本は『シンドラーのリスト』、『ギャング・オブ・ニューヨーク』のスティーヴン・ザイリアン

共演にアル・パチーノジョー・ペシハーヴェイ・カイテルと豪華キャストが名を連ねております。

 

f:id:sabakinoume:20191202034651j:plain

f:id:sabakinoume:20191202034731j:plain

マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロアル・パチーノジョー・ペシ・・・。

’70~’90年代の映画ファンには目もくらむ豪華な面々が勢ぞろいした実在したヒットマンを描いた作品がインターネット配信のNetflix映画として製作されました。

 

自分も『タクシードライバー』などの大ファンなので観たいと思っていたのですがNetflixに加入しておらず鑑賞を断念しようと思ったところ、シネ・リーブル神戸で1週間限定公開が決まり、「行きたい」と思ったのですが、やはり1週間では厳しく、またまた断念。しかし好評で上映期間が1週間延長になり、何とかスクリーンで鑑賞することができました。

 

f:id:sabakinoume:20191202035536j:plain

まさか2010年代にこのような作品と出会えるとは本当に夢のようです。

もうコンビ作は観られないと思っていたスコセッシとデ・ニーロ。

スコセッシ監督作品初出演になるアル・パチーノ

ジョー・ペシの復帰。

本年度アカデミー賞をにぎわせた『ROMA/ローマ』同様、Netflix映画だから実現した作品かもしれません。

 

f:id:sabakinoume:20191202040215j:plain

特に伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノを演じたジョー・ペシの存在感が素晴らしいものがあったと思いました。

まったくブランクを感じさせない演技力。

デ・ニーロと並ぶと名作『レイジング・ブル』や『グッドフェローズ』を思い出してしまいます。

 

f:id:sabakinoume:20191202040547j:plain

物語は“アイリッシュマン”(アイルランド人)ことフランク・シーランが晩年、かつてを回顧する形で進み、冷凍牛肉を運ぶトラック運転手だった彼が、いかにしてラッセルと出会い、裏社会に身を沈めていったかが描かれます。

その中でも中軸となるのは、全米トラック協会の会長ジミー・ホッファとの関連性です。

 

f:id:sabakinoume:20191202041214j:plain

ジミー・ホッファは労働運動におけるカリスマ的指導者であり、当時はエルビス・プレスリーや「ザ・ビートルズ」よりも人気があった。しかし裏ではマフィアとの密接なつながりを持ち、ラッセルやシーランらと絆を深めていく。

ところが、ホッファは1975年7月30日に突如として失踪し、二度と姿を現すことはなかった。“アメリカ史上最も重要な未解決事件”とされるこの事件の容疑者が、他ならぬシーランだった・・・。

(映画.comより)

 

f:id:sabakinoume:20191202041618j:plain

MCUマーベル・シネマティック・ユニバース)を「映画ではない、単なるアトラクション」と否定的だったスコセッシ監督が『アベンジャーズ』の視覚効果を担当したILMのCG技術を多用して俳優を若返らせる。

この辺りもスコセッシ監督らしさがあり面白く観ておりましたが、現在79歳のパ・チーノが49歳にちゃんと観えてしまう。

おそらくスコセッシ監督自身、そうした技術を否定しているのではないと思います。

大切なのは物語やメッセージ。

それを伝えるための技術であって、そちらが前に出てはいけないと言っているように思いました。

 

f:id:sabakinoume:20191202042740j:plain

3時間半。

長いと言えば長いです。(自分は長く感じませんでした)

いらないようなシーンもあるのですが、逆にこれがスコセッシ監督らしい描写で切ってしまうのが惜しいと思ったり、史実であるがために説明的な場面もあり、結果この上映期間になったと思います。

ムダなものなど一つもありませんでした。

 

f:id:sabakinoume:20191202044201j:plain

晩年のフランクがこのように言います。

「昔は壁のペンキはペンキ屋が塗るものだと思っていたが、実際はペンキは自分で塗るものだった」と。

これはマフィアではペンキ(壁を血で染める=殺し屋)という意味で、多くの壁を染め彼は信頼を勝ち取っていきます。

 

f:id:sabakinoume:20191202045839j:plain

それだけ己の手を血で染めて彼が得たもの。

高額な資金。

ラッセル・バッファリーノの厚い信頼。

 

しかし、当然失うものも多かった。

自分を心から信じてくれた人間。

愛する娘。

そして、これまでの仲間は次々と姿を消していく・・・。

 

f:id:sabakinoume:20191202050949j:plain

むしろ、彼はなにも手にできなかったのではと思ってしまいました。

多くの敵を作ってしまった彼が神父に発する最期の言葉は、あまりにも切なく悲しいものでした。

 

老いてと言っては失礼ですが、スコセッシ監督の音楽のセンスのすばらしさも健在。

サウンドトラックの良さ、名優の演技、キレのある演出と見応えのある3時間半。

10年の歳月、総製作費2億ドルをかけてつくられた壮大なドラマです。

 

マーベル・シネマティック・ユニバースに対抗して、こちらもスコセッシ監督の集大成的な作品なのでMCUマーティン・スコセッシ・シネマティック・ユニバース)と呼ばれているそうです。

 

ネット配信用の作品ですが、この作品を映画館で鑑賞できたことを心から嬉しく思っております。

 

11月27日からNetflixにて配信されております。

 

★★★★★