sabakinoumeの日記

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『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』

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『ロニートエスティ 彼女たちの選択』

 DISOBEDIENCE 

 

2017年イギリス映画。 上映時間:114分。

 

■監督

セバスティアン・レリオ

■出演

レイチェル・ワイズ

レイチェル・マクアダムス

アレッサンドロ・ニヴォラ ほか

 

ナチュラルウーマン』で第90回アカデミー外国語映画賞を受賞したチリのセバスティアン・レリオ監督が、イギリスの女性作家ナオミ・オルダーマンの自伝的デビュー作を映画化したラブ・ロマンスです。

女王陛下のお気に入り』のレイチェル・ワイズ&『きみに読む物語』のレイチェル・マクアダムスがダブル主演。

ワイズは製作にも参加しております。

 

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あらすじ

 

厳しいユダヤコミュニティーで育ったロニートエスティは恋に落ちるが、おきてによって許されぬ行為とされてしまう。それを受けて、ユダヤ教指導者の娘だったロニートは父と信仰を捨てて故郷を離れ、エスティは幼なじみのドヴィッドの妻になりユダヤ社会で生きることにする。時は流れ、父の死を契機に帰郷したロニートは、エスティと再会する。互いに対する思いを抑え切れない二人は、ある決断を下す。

シネマトゥデイより)

 

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厳格なユダヤ・コミュニティで育った女性2人の赦されざる愛を描く、『ナチュラルウーマン』のセバスティアン・レリオ監督作品です。

レイチェル・ワイズレイチェル・マクアダムスのWレイチェル主演。

 

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新型コロナウイルスの影響で3月に観戦予定だったJリーグプロ野球オープン戦、新日本プロレスの開催がすべてなくなってしまいました。

楽しみにしていたスポーツ観戦の記事は当分書けそうにありません。(涙)

映画はかろうじて上映しておりますが、こちらも、いつまで続くか分かりません。

 

・・・作品と関係ないことを書いてしまいました。

Wレイチェルお目当てで鑑賞してきました。

 

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原題の”Disobedience”とは「不服従」、「反抗」という意味があるそうです。

 

正統派ユダヤ教徒のラビ(律法学者)の娘に生まれたロニート(ワイズ)は戒律に反する同性愛が発覚し、父親と絶縁状態だった。

その相手だったエスティ(マクアダムス)はコミュニティに残り、次期指導者と目されているドヴィッドと結婚する。

物語はロニートの父親が死亡するところから始まります。

 

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宗教に疎い自分ですが、ユダヤ教は厳格で規律が厳しいということは聞いたことがありました。

そんなユダヤ教のコミュニティの中で”同性愛”を容認することはありません。

映画鑑賞後、パンフレットを読んで知りましたが、ユダヤ教の法規をを記した「レビ記」に男性同性愛、ホモセクシュアリティに厳しく禁じられていて、「男性同士の性行為は両者ともに死刑に処する」と記載してあるそうです。

 

時代が変わり同性愛者への偏見も薄れておりますが、こうしたユダヤ教のコミュニティでは寛大な目で見てくれるというわけにはいかないようです。

 

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この映画を観ながら、自分の中で葛藤のようなものがあったように思っておりました。

自分はユダヤ教徒でも同性愛者でもありません。

自分と違うものを全否定してしまうことは簡単です。

ですが、そんな簡単に割り切れるほど宗教や恋愛は軽いものでは無いと思います。

 

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ユダヤ教超正統派のコミュニティという閉鎖的な社会に生きる人にはそれがすべてなんですよね。

ユダヤ教の教えこそが善であり、規律に反する行為は悪である。

 

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その閉鎖的であるコミュニティの中で自分の本能の赴くように愛し合うロニートエスティ。

なぜ彼女たちは異性を愛することより同性愛に目覚めてしまったのか?

 

自分と異なるユダヤ教の閉鎖的な考えとロニートエスティの性癖。

これを簡単に否定してしまうことは、コミュニティの人間たちと同じ考えのような気がしてしまい、「自分と異なるものを、あなたは受け入れられますか?」と試されているような気持ちになりました。

 

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「人間には自由意志がある」。

ニートの父親の最後の言葉です。

 

これが、この映画のテーマだと言えると思います。

人間には生き方や恋愛と自分の意志に従う自由が存在します。

しかし、それを謳いながら、赦さない厳格なコミュニティ。

 

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自分の意志に従いコミュニティの外の世界へ飛び出したロニートに対し、コミュニティに残り、自分を偽り生活するエスティ。

コミュニティに残ったということは、この地で普通に生きていかなければいけない。

普通に結婚し、そして妻としての務めである夫とのセックス。

同性愛者であるエスティにとって、この普通である行為がどれだけ辛いことだと思いながら観ておりました。

 

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閉鎖的な社会で自分を偽り生活するエスティ。

その姿を観ていて息苦しさを感じてしまいました。

 

狙って撮影したと思われる殺風景で何もないロケーションはこの地に人の温もりが無いと言わんばかりのものを表現しているようでした。

 

まるでAVでも観ているかのようなWレイチェルのリアルなラブシーンは二人の女優の熱演でとても美しいものになっていたと思います。

ただ全体的に映画的な描写が少ないので、このシーンばかり目立ってしまった感があったように思いました。

 

ニートエスティ、そしてエスティの夫のドヴィッドの精神的自由の解放を映し出した終盤の展開は、どこか救いがあったように感じます。

 

「自由恋愛」が当たり前の国で生まれた人間が、この閉鎖的なコミュニティと同性愛者をどれだけ理解できるかによって評価が分かれる作品だと思います。

万人向けの作品ではありません。

 

レイチェル・マクアダムス、42歳(撮影時は30代後半?)とは思えない若々しさは、とてもステキだと思いました。

 

★★★★